会社をつくるとき、いちばん時間をかけたのは、言葉でした。
何を目指し、何を約束し、何を判断の軸にするのか。それが曖昧なままでは、最初の一棟は建てられても、十年先まで同じ志でいられるかわかりません。だから私たちは、Vision・Mission、そして四つの軸を、丁寧に言葉にしました。
Vision — 「日本の里山に、世界が記憶する灯を。」
「里山」とは、人と自然が長い時間をかけて織り上げてきた、日本固有の風景です。そこには、ただ通り過ぎるだけでは触れられない、深い物語があります。
「世界が記憶する」とは、ただ訪れて終わりではなく、その人の人生に残る体験になるということ。観光ではなく、出逢いを届けたい。
「灯」とは、古民家を再生して宿として開く、その小さな光のこと。ひとつでは小さくても、いずれ里山の闇に、いくつもの灯が灯る未来へ。それが私たちの見ている景色です。
Mission — 「集い、灯る、一期一会の宿を届ける。」
「集い」。HOTAL.の宿は、グループでの一棟貸し。家族、友人、仕事仲間。大切な人と過ごす時間こそ、この宿が用意するものです。
「灯る」。古民家を、宿として再び灯す。そして、訪れた人々の中にも、何かが灯る。建物・空間・時間のすべてが響き合う場をつくります。
「一期一会」。茶の湯の言葉です。二度と同じ時間は訪れない、その一度を尽くす。一棟貸切りだからこそ作れる、その瞬間限りの体験を届けます。
四つの軸
判断に迷ったとき、私たちが立ち返る場所です。
Singular — 唯一無二の体験を。
規模の拡大は追いません。一棟ごとに、その家が持つ固有の物語を育てる。同じ宿は、ひとつとして存在しません。
Extraordinary — 特別な環境を。
磨かれたデザイン、その場にしかない景色、非日常の佇まい。日常から離れた特別な環境のなかで過ごす時間を届けます。
Crafted — 丁寧に、再生する。
建物が本来持つ素材や構造の良さを活かしながら、ひとつずつ手をかけて再生する。急がず、誤魔化せず、必要な手間を惜しまない。
Together — 地域と、共に生きる。
土地に根ざし、地元の職人・食材・文化と連携する。宿が地域と共に育ち、互いに豊かになる関係を築きます。
なぜ、ここまで言葉にこだわるのか
民泊事業は、参入のハードルが比較的低いぶん、「とりあえず始める」こともできてしまいます。けれど私たちは、急ぎませんでした。
事業に関わってくださる方、物件を託してくださるオーナー様、資金を支えてくださる金融機関の皆様、地域の方々。その全員と、同じ景色を見ながら進みたい。そのための共通言語が、このVision・Mission・四つの軸です。
言葉は、約束です。 私たちは、この約束から外れない事業をつくっていきます。
次回は、この Journal そのものについて。何を書き、何を書かないのか。
— HOTĀL.